減災アドバイザーが教える!ハザードマップのススメ
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「ハザードマップ」は、地域の災害の危険性を地図に示したもので、その種類は地域によって様々です。海の近くでは「津波ハザードマップ」、川の近くでは「水害(洪水)ハザードマップ」、山の近くでは「土砂災害ハザードマップ」などがあります。誰でも簡単に見ることができます。
活かされなかったハザードマップ
2015年9月に起きた鬼怒川大水害、被害の大きかった常総市では水害ハザードマップを全戸配布していました。しかし、被害があった地域の人にとったアンケートでは、日頃からハザードマップなどで浸水の程度を事前に確認していた人はわずか約10%で、ほとんどの方がマップを活かすことが出来なかったのです。常総市だけではなく、ほかの自治体でも共通の課題を抱えています。
ハザードマップを読むコツ
①インターネット検索や役所に問い合わせ、ハザードマップを入手する。
②災害の種類を確認する。
③マップの自分の家に目印を付ける。
④自分の家が被害にあいそうかを確認する。
⑤被害がありそうな場合、避難したほうがいいのかどうか考える。
⑥避難したほうがいい場合、「避難先」を確認する。
⑦「自宅」から「避難先」まで、どのルートでいくかペンでなぞってみる。(できれば複数ルート)
自宅が危険な範囲になっていなくても、安心せず「安全に災害を乗り越えることが出来るか」を想像する
・電気、ガス、水道などが止まってしまうかもしれない
・いつも通りの食事が出来ないかもしれない
・子供の友達の家庭は避難所にいっているかもしれない
ポイント
ハザードマップの通りに災害が起きる、ということはありえません。近くで起きうる災害は、自分の家でも起きうるかもしれない、とイメージを広げてみましょう。
各家庭が少しでも思いを巡らすことができえば、災害を乗り越える力になります。
ぜひ、ご家族でハザードマップを確認してみてください。
参考になるサイト
国土交通省ハザードマップポータルサイト~身のまわりの災害リスクを調べる~
鈴木 光さん
減災アトリエ主宰、(一社)減災ラボ 代表理事、工学院大学客員研究員。災害に備えることを「自分のこと」にしてもらうための減災ワークショップを地域、学校、企業等のあらゆる場で実践。地域の災害リスクを知り、どのような災害がおきるのかを体感的に学べるオリジナル「my減災マップ®」は、子どもからシニアまで”わかりやすい、楽しい、ためになった”と評判が高い
引用元:情報誌スマイリング2017冬号