
【座談会】コロナ禍以後の郊外型戸建分譲住宅の付加価値とは【ポラスグループ×早稲田大学 産学連携共同研究】
目次
ポラスグループは早稲田大学と「郊外まちづくり〈Interknitted Town〉」に関する産学連携による共同研究を推進しています。
2020年度からスタートした研究の第二期では5つのテーマに沿って進められ、そのうち2つのテーマ「POLUS分譲地街区の評価」「設計パターン検討」に関する成果報告会および関係者による座談会が行われました。

中央グリーン開発株式会社
CSV推進室 取締役室長
竹内 逸人

中央グリーン開発株式会社
ブランディング課
プロモーションチーム 係長
浜岡 淳一郎

中央グリーン開発株式会社
設計部企画設計課 課長
剣持 翔太

中央グリーン開発株式会社
CSV推進室コミュニティ企画係 係長
横谷 薫

ポラス株式会社
コミュニケーション部 主任
呉地 梨紗

早稲田大学リサーチイノベーションセンター
上級研究員
岡村 竹史

早稲田大学リサーチ
イノベーションセンター 次席研究員
林 書嫻
THEME 01 : 「POLUS分譲地街区の評価」暮らしの価値 居住者アンケート
「中央グリーン開発の分譲住宅」「中央グリーン開発以外のポラスの住宅」「ポラス以外の住宅」それぞれの住民に、住まい、近所付き合い、地域交流、コミュニティ意識、ウェルビーイング、永住意識に関するアンケート調査を実施。それぞれの意識の違いを比較しました。
ポラス、中央グリーン開発の分譲地にお住まいの方のコミュニティへの満足度が高いことがわかりました。

——アンケート調査の結果、各分譲地間でどんな違いが見えてきたのでしょうか。
林:まずはこの場を借りて、アンケートにご協力いただいた皆様へ感謝申しあげます。この調査によって「ポラスの分譲地」「中央グリーン開発の分譲地」にお住まいの方は、他社の分譲地にお住まいの方よりもコミュニティへの関心や地域愛着の度合いが高く、現在の環境が気に入っていることがわかりました。それが生活満足度、孤独感、主観的健康感といったウェルビーイング(心の豊かさ)のポジティブな数字にも表れています。
竹内:この結果は、私たちとしても嬉しいです。入居者交流会やマチトモ!といったイベントや、情報誌スマイリングの発行が、シビックプライド(地域への誇りと愛着)を醸成することに貢献できているのかなという手応えを感じました。
呉地:そうですね。中央グリーン開発のそのような取り組みは、ポラスグループの中でも進んでいると思います。私はポラスのコミュニケーション部として、これをグループ内で共有し、まちづくりに対する思いを伝えていくことが大切だと思いました。

横谷:このような取り組みを積極的に行ってきたことが、中央グリーン開発の強みですからね。一方で調査結果を見てみると、「近所づきあいでストレスを感じる頻度」という項目の数字がちょっと他より高い。深いおつきあいをしていれば、それだけストレスを感じることもあるのかな。「雨降って地固まる」ということで、それも含めてコミュニティの関係性向上にプラスに働けばと思います。
岡村:それだけ、良いことも悪いことも、言いたいことを言い合える関係ができているといえるのかもしれません。近隣との距離感の近さというのは、防犯や防災という観点からも、とても重要な要素になります。
浜岡:私はプロモーションを担当しているので、このようなお客様目線での評価を今後積極的に発信していけるというのは非常にありがたいと思いました。自分たちから「コミュニティづくりのために入居者交流会やマチトモ!をぜひ活用してください」とアピールしても客観性に欠ける。それゆえに、今回のアンケート調査は意義があると思います。
剣持:設計に携わる私としては、「住宅と住環境に対する満足度」が、ポラス以外の分譲地にお住まいの方と比較して、やや高いというレベルにとどまったのがちょっと気になっています。ここはこれから、まだまだ改善していかなければと思うポイントですね。
竹内:もちろんいろいろと改善していかなければならないことはあると思います。そのためには、お客様が本当に望んでいることを、私たちが正確に把握することが重要です。それによって、有効な施策を打ち続けていくことが大切ですね。
THEME 02 : 設計パターン検討
2003年度から2024年度にグッドデザイン賞を受賞したポラスの96物件から、空間形成に関わる70の要素技術を抽出。
内容が想像できるよう簡潔なネーミングをすると同時に、「部屋と部屋」、「住宅と住宅」、「住宅地と住宅地」の関係という観点で整理を行い、ポラスの設計における36種類の「かた(型)」を作成しました。
ポラスの住宅設計の「かた」を、グループ間・部門間で共有していきます。
岡村 : 2023年度までに作成した25個の「かた」に、2024年度は新たに11の「かた」を追加することによって、私達が掲げる「Interknitted Town」という郊外まちづくりの解像度を高める作業を行いました。
剣持:私自身、25個の「かた」を自分なりに理解してきましたが、今回それをブラッシュアップしたことで、ポラスの住宅の設計を空想上の「かた」から、より手触り感のある「かたち」にすることができるようになると思っています。
呉地:グループ全体を考えても、ポラスの住宅設計の「かた」という共通言語ができたことは大きいと思います。グループとして向かっていくべき住まいづくり、まちづくりのコンセプトを強めるツールとして活用できます。
横谷:グループみんなで向かうべきゴール、解決すべき課題に関する共通認識を持つことは大事ですよね。そのために「かた」という共通言語を、グループ内に丁寧に落とし込むことが必要です。「かた」のカルタみたいなものを作って、楽しく浸透させてもいいかも(笑)。
岡村:グループ会社間の横展開も重要ですが、例えば分譲地の用地を取得する部門と設計部門との共通認識も必要です。「この土地には、この『かた』の住宅が合う」というような会話が部門を超えて行うことがしやすくなれば、それぞれの地域の特性を見据えた住まいづくり、まちづくりがより明確になると思います。
2024年度受賞作品
グッドデザイン賞

開発する全ての戸建て分譲地・入居者を対象としたコミュニティ支援プログラム
International Design Awards (IDA) 2024 Silver(銀賞)

Be・GRACE FunabashiTsukada MIRAILINK WA BLOCK 【ビー・グレイス船橋塚田 未来輪区 WA BLOCK】
他受賞作品
・London International Creative Competition(LICC)2024 Official Selection受賞【ビー・グレイス新八柱40 プロジェクト サウス】
・YKK AP エクステリアスタイル大賞 2024 戸建て分譲街並み部門・ゴールド賞受賞【ビー・グレイス流山おおたかの森 ステイファースト】
・ユニソンコンテストミライクルオブザイヤートリビュート賞受賞【ブリスト上福岡 サンパドル】
etc…
詳しくは弊社HPをご覧ください