ポラスグループでは、新築建築現場から排出される産業廃棄物を循環する資源にするため、2017年2月に産業廃棄物中間処理施設『ミライクル』を開設しました。

今回は自然環境保護と生活環境保全で社会貢献を実現する『ミライクル』の取り組みを取材しました。

新築現場からの産業廃棄物を再利用するため「ミライクル」の取り組み

中間処理施設とは、産業廃棄物を循環する資源にするために、再生利用可能な資源とそうでないものを分別し、再資源化に適した状態に整える処理を行う施設。

ポラスの新築住宅建築現場から集められた産業廃棄物は、ミライクルで

❶ 同じ用途で再利用できるもの
❷ 違う形状のものや燃料として再利用できるもの
❸ 埋め立て処分するもの

に仕分けされます。

①同じ用途で再利用できるもの
壁材、屋根材などの葉財はメーカーに送られ、再び壁材、屋根材の素材に利用

②違う形状のものや燃料として再利用できるもの
木材などの葉財は加工され、パーチクルボードやボイラーの燃料などに利用

③埋め立て処分するもの
再利用できないものは、廃棄物として埋め立て

ミライクルでは、回収された産業廃棄物のうち
「資源として再活用できるもの」の割合を示す「再資源化率」
94%を達成しています。

グラフ 資源化率の推移

ミライクルの誕生で進化したサスティナブル

ポラスでは新築建築現場からの産業廃棄物に対処する中間処理業を開始。
それにより、さまざまな波及効果が生まれました。

【効果1】サスティナブルな素材を再利用する仕組みができた

住宅の断熱材として使われるグラスウールは本来リサイクルが難しい素材でしたが、ミライクルでグラスウール廃棄物を回収・仕分けし量をまとめることにより、再製品化する仕組みができました。

【効果2】産業廃棄物の排出を減らす取り組みができた

ミライクルでの取り組みにより「再資源化率」の見える化が進んだことで、産業廃棄物の排出量を減らす取り組みが進みました。

・グラスウールは枚数単位での発注、少量での梱包を実施
・石膏ボードのジャストサイズでの納入

これらの取り組みが評価され、株式会社住宅資材センターとポラス株式会社は2021年、2022年とグッドデザイン賞を受賞しました。

 

ミライクル内を探訪!

茨城県坂東市にあるポラスグループの株式会社住宅資材センター『ミライクル』。

毎日トラック20~24台分の産業廃棄物がポラスの新築現場から回収されてきます。

廃棄物の仕分けは、地道な手作業で行われます。

ダンボール・金属は圧縮、木材は破砕する大型の機械が稼働しています。

発泡スチロールは溶かして再利用するために溶融固化します。

ミライクルの責任者 原島さんに聞く「ミライクルが目指す、再資源化率98%」

株式会社住宅資材センター物流部 リサイクル課 課長 原島和広さん

ミライクルの誕生から、さまざまな努力と工夫を重ねて、現在では資源化率94%を達成しました。今後さらにこの数字を最終目標値である98%にまで上げるには、資源化できずに埋め立てに回している廃棄物の割合を減らすことが必要です。

その方向性は2つ。一つは埋め立てではなく、資源として再利用できる道を探ることです。ポラス以外の協力会社とも模索しながら、建材としては難しくても、燃料として活用することができないかなど、広い視野での検討が必要です。

もう一つは、資材の開発や仕入れの段階から、埋立て処分にならないような建材を使用するルートを作ることです。これにはポラスグループの技術や流通網を見直し、総力を上げて進めていかなければならないと考えています。

産業廃棄物の主幹部門 堀口さんに聞く「グループとして取り組むミライクルの未来」

ポラス株式会社 技術部 技術課 係長 堀口 晃さん

ミライクルができて以来、ポラスグループ全体の「サスティナブル」に対する考え方が変化してきました。そしてそれが社内の良い循環を生んでいます。

例えば建築現場でムダを出さないためにジャストサイズにカットされた資材を開発・供給すれば、それが現場の職人さんの作業軽減につながる。

職人さんが心地よい気分で作業をすれば、現場の整理整頓や廃棄物の分別にも良い影響がもたらされる、という具合です。

グループ内での持続可能な取り組みを促進させる象徴としても、ミライクルは重要な施設といえます。

グループ内の従業員にこの施設を見学してもらうことで、一人ひとりのサスティナブルに対する意識が向上しています。今後もミライクルからの発信を続け、さらなる意識の向上を目指していきます。

 

引用元:情報誌スマイリング2023年冬号

PAGE TOP